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ニオイの記憶
加齢臭は、大抵の人が不快なニオイとして感じるわけですが、中には必ずしも不快に感じない人もいるようです。では一体、人間はどうやっていいニオイと不快なニオイを判断しているのでしょう。そもそもニオイとはどのように感じているのでしょうか。
まず、鼻腔にある、ニオイを感じる神経細胞がニオイをキャッチします。この時点では、ニオイの良い悪いの判断はされていません。次にそのニオイを大脳皮質へと伝えます。ここで初めてそのニオイについてのジャッジが下されるのです。まずは、本能的にそのニオイに危険があるのかないのかを判断します。有害ガスなどは、この時点で瞬間的に危険なニオイと判断されます。
そして危険なニオイではないと判断された後そのニオイがその人にとって良いニオイなのか不快なニオイなのかを判断します。これは、ニオイの記憶によって判断されます。過去の経験や感覚などを総合的に判断するわけです。ですから、多くの人に不快と感じられるニオイでも、その人にとって良い思い出、良い記憶となっていれば、それは良いニオイと判断されるのです。
加齢臭についても、例えば、幼少期に祖父祖母と一緒に生活していた人などは、必ずしも加齢臭に対して嫌な記憶はないはずです。むしろ、懐かしさや優しさを感じるかもしれません。またたとえ良いニオイであっても、そのニオイが濃すぎると一転不快なニオイに変わってしまいます。例えば、わずかに感じる香水は心地よいものですが、同じニオイでも濃すぎた場合は不快に感じるはずです。またその濃すぎるニオイをずっと嗅いでいると、今度はあまり気にならなくなります。これは人間の嗅覚は疲れやすく、慣れやすい特徴があるからなんです。
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